別名「月下香(べっかこう)」と言い、多年草で原産地はメキシコ及び南アメリカ。夜に花を咲かせ、強い香りを放つのが夜間活動する蛾を引き寄せて花粉を運ばせるため。インドで「Ratkirani」と呼ばれ、「月下の女王」の意味である。香りが濃厚なため、ここ数年でジャスミンの代わりにお茶を焙煎する茶農家が増えてきた。主な販売先は花の香りをまとったお茶が好むヨーロッパ市場である。
原種の花径は60~90センチで、茂った葉から花を立ち上げ、穂状花序をつける。花弁には一重咲き(Single-flowered)及び八重咲き(Double-flowered)があり、ガクは緑がかったピンクで、花の色は赤紫色、オレンジ色、薄紫色、ピンクがかったホワイトなどがある。お花は筒型で約4~6センチの長さで34~50輪からなる。弊社「根本芳療」の国際ハーブ実験農園ではPolianthes tuberose‘Double’(八重咲き)という品種のピンクがかった白いお花を中心に栽培されている。
植物の部位で例えると、根が出した穏やかさ、聳えた樹木の幹、生き生きとした緑の葉などに対し、短く咲いた花は儚い美しさを感じさせ、まさに「今を生きる」ということではないでしょうか。どうやって今を生きていくことが未来に繋がっている。
強い日差しの中で花畑から花首を美しく立ち上げるチュベローズを静かに観察すれば、お花の傲慢さがまったく見えない。
また、蒸留で得られたチュベローズのハイドロラットは、お肌を健やかに保ち、うるおいを与えながらエイジングケア。毎日顔にスプレーしたら、お肌にツヤを与え、ハリのある日々に導いてくれる天然成分のハイドロラットである。
また、チュベローズのハイドロラットにエステルが含まれるため、控えめな甘い香りを持つ。抽出されたばかりのハイドロラットは、植物自身の香りほど清々しくないが、3ヶ月以上の熟成期間を置いておけば、味も香りも慎み深い穏やかさを引き出せる。まるで嵐が過ぎた後に、空気が澄み切った森林の景色をまた眺められるような気分になる。
チュベローズは現在に満足する力を与えると同時に、いま経験されている嬉しさや悲しみも受け入れるようになる。重くて憂鬱な気分を怖がらず、命がどのような形で存在しても、ありのままの自分を認めることに導いてくれる。その奥ゆかしい香りは落着き感を与えることだけでなく、田んぼですらっと立つ花の姿はまるで相手の気持ちを配慮できる知者のようである。
花言葉:独りでそむき離れても膠着状態に陥りたくない。
質素なチュベローズは、かつて台湾でホワイトチャンパカの生産量が少ない頃、代わりに仏壇に供える花である。
《この段落はFeyond先生の社内研修資料から抜粋したもの》
南台湾の田んぼにそそり立つチュベローズは、太陽が強く照りつける夏にいてものんびりした雰囲気が伝わってくる。その慎み深いのに濃厚な香りは、熱烈な夏の夜を織り交ぜる。清々しい香りを堪能すると同時にお肌にうるおいを与える芳醇な液体である。
また、チュベローズのハイドロラットにエステルが含まれるため、控えめな甘い香りを持つ。抽出されたばかりのハイドロラットは、植物自身の香りほど清々しくないが、3ヶ月以上の熟成期間を置いておけば、味も香りも慎み深い穏やかさを引き出せる。まるで嵐が過ぎた後に、空気が澄み切った森林の景色をまた眺められるような気分になる。